野球のちゴルフ…ときどきスキー

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超難セッティングに泣いた男子スラローム2

先日の続きです

 

レースを見ればどれだけ難しいか一目瞭然なのですが

実際どれくらい細かかったのかデーターで比較してみる事にしました

 

FISオリンピック・世界選手権・W杯規定(男子SL)

●Vertical Drop スタートとゴールの標高差:180m〜220m

●Number of Gates(Turning Gates) 旗門数(方向転換数):Vertical Dropの30~35%

と記されています

 

ソチオリンピック

●Vertical Drop:200m

●Number of Gates(Turning Gates):

RUN1→60(57) LAPマリオ・マット 46.70

RUN2→67(64) LAPアダム・ザンパ 53.94

単純に2本目は7旗門も増えてますね

ただ、30%と33.5%なので規定内とは言えます

 

今シーズンの他のW杯レースと比較してみます

第7戦シュラドミング(AUT)

●216m

●RUN1→64(62) LAPクリストファーセン 50.72

  RUN2→67(65) LAPノイロイター 56.32

 

第6戦キッツビューエル(AUT)

●193m

●RUN1→66(63) LAPヒルシャー 56.92

  RUN2→63(62) LAPダニエル・ユーレ 54.15

※1本目の66旗門は多いかな?と思ったら15位以降は1分以上かかっていました

セッターは・・・コステリッチパパでした

 

第5戦ウェンゲン(SUI)

●194m

●RUN1→64(62) LAPヒルシャー 51.22

  RUN2→60(59) LAPパンチュロー 50.77

 

 

う〜ん、、、

いろんな要素がありすぎて一概には言えませんね

斜面的には急斜面で難しいと言われているウェンゲンに

似ているかもしれませんが、、、

標高差と旗門数のバランスは大体似たり寄ったりです

キッツの1本目が目立つくらいでしょうか

 

ただ、今回のソチで特出しているのは1本目のLAPが46秒台ということです

W杯では50秒を切るコースはほとんどありません

標高差が普通なのにタイムがめちゃくちゃ速いという事は

斜面が”急”ということです(それはわかってるか)

滑走距離は短く自然とスピードも出ます

そんな中で7旗門も増えたセットはやはり難しいと言えますよね

更にそれが急斜面で前後につまったり、左右に振られる(ヘアピン)ので

ポールをまたいだり

緩斜面直前でスピードダウンさせられたりするため

タイムがのびなかったりしました

(解説の木村公宣さんはしきりにトラップと言っていました)

ソチの柔らかい雪も一段と難しくしていたと思います

W杯であんなバーン無いですよね

北海道の春の雪って感じでした

 

そのためか攻めまくるヒルシャーはGSからなかなかタイムが出ず

やっと最後のSL2本目で2位になりました

これは今回のオリンピックを見ていて思ったのですが

DHやSG、スーパーコンバインドにエントリーしていた選手の方が

ソチの雪質に速くから慣れて結果を出していたんじゃないかと

SL以外はコースも同じでしたし、、、(リゲティやマイヤーなど)

もちろんそんなの当たり前で、早くからレースが続くと疲れるから

直前に入るという選択もあると思いますが(ヒルシャーやノイロイターなど)

今回は特に早くから入ったアドバンテージが大きかったと思います

 

個人的に好きなノイロイターが不運にも交通事故にあったのはショックでした

ソチに向けて直前のW杯をキャンセルして、万全を期していたにもかかわらず

 

やはり何があるのかわからないのがアルペンであり

それが面白いのです

交通事故は別にして

 

コステリッチパパに怒り狂いながら寝た次の日

もう一度録画を観直しました

こんな難しいコースとセッティングだけど

もし自分が選手だったら、、、絶対攻略したかったな

と思いました

きっと恐怖もあるけど、挑戦したいというわくわくした気持ちで

スタートしたと思います

だからみんなあんなに悔しがっていたんだと思います

 

結構いいレースを観させてもらったんじゃないか

結果的にはベテランのマリオマットが何とかトップで喰いとどまり

2本目さすがのフルアタックを見せてくれたヒルシャーが2位

若手の有力、バランスと下半身の使い方が柔らかいクリストファーセンが3位でした

ほら、何となくリレハンメルに似ているでしょ

 

更に気づいたことは、、、

特に最初の急斜面ではじかれて上る選手が多々いる中、

その後またコースアウトしても再三起き上がってレースを続けようとしたのは

テッド・リゲティと湯浅と佐々木明の3人でした

 

ちょっと胸が熱くなる滑りでした